グレースハープ・インターナショナル

syoukai


結(yui) 19strings
H 79cm W 3.6kg
Walnut

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■国産ハープ弦
近年人気が高まっているハープですが、弦楽器を保持・保管することについて、高温多湿の日本の気候下では、特に梅雨時期には弦が切れたり切れやすくなり気を配らなければなりません。昨今の梅雨~夏にかけての高い湿度では除湿をマメにしていても弦が切れてしまうことは多々あります。

グレースハープでは、このような環境下に於いて少しでも「切れない弦」「切れにくい弦」の必要性を実感してきました。現在、ハープ弦の多くは外国産です。日本の高い技術でなんとか日本製のハープ弦を作れないか、という思いに試行錯誤していましたが、その答えは世界唯一ともいえる特殊な製法でライン(釣糸)を作る国内メーカーにありました。

「ラインとは?」と疑問に思われるかもしれませんが、ラインは長い研究の歴史において科学的要素が詰まっています。よくテレビで見るようなマグロの1本釣りを思い出してみてください。時に数百キロにもなる巨大なマグロを引き上げる1本の糸。ここぞというときに切れてしまっては千載一遇のチャンスを逃してしまいます。

ナイロン製、ということでは共通するところがありますが、ハープの弦は「切れない」「頑丈である」ことが必ずしも良いとは言えません。本体である木によって張られバランスを取っているからです。この両者が素材として最大化でき、最高のパフォーマンスを出せるような弦を作るため私たちは埼玉県にある双樹化学工業株式会社にハープ弦の製造を依頼しました。

ハープ弦の開発
 弦を作る段階において強度を上げるために、製造中に延伸させる工程があります。弦を作る工程で延伸した弦が縮まないように加工処理されてはいるものの、高温多湿の環境下では自然に収縮してしまうという性質を弦は持っています。 特に梅雨時期や夏場の高温多湿時期は、弦にとってより収縮をしてしまう時期となり、切れやすくなってしまうのは仕方ないこととされてきました(近年の過度な高温多湿な環境では弦への負担はより厳しいものであると言えます)。

世界的に見るとガット弦などは研究が進んでいますがナイロン弦については遅れており、改善改良の余地があります。ラインとハープ弦は=String=ナイロン弦、という点で共通ですが、切れないラインに対しハープ弦には「音色を出す」「滑らかなtouch」などの要素が不可欠です。

双樹化学工業株式会社(埼玉県)は昭和33年創業のライン(釣糸)製造会社です。ラインは「切れない弦」と言えます。力いっぱい泳ぎ引っ張り回す魚に対し水面下での抵抗に強い耐摩耗性と引き上げる力といった高いパフォーマンスが求められます。同社が蓄積してきたラインの深い知識と経験を元にハープ弦に使用される原料の配合から完成までを濱田社長が引き受けてくださいました。原料のナイロン樹脂はアジアトップクラスである山口県の宇部興産株式会社が特殊配合した物を使用。世界的にも稀な独自製法で生産しています。

長い歴史の中で広く深く研究されてきたラインはハープ弦にとって一縷の望みと言えます。
「ラインの製造にあたっては、高延伸することによって糸の強度が増す一方、伸度が低下し、また硬くなってしまう」と濱田社長。様々な課題について双樹化学工業株式会社の独自製法によって生み出されたナイロン弦は中心部が強度を保つ配向層で、表面が柔らかさを出す無配向層という二重構造となっています。
(以下、イメージ図、および写真参照)

イメージ図

赤色が無配向層

水色が配向層

実際の写真

表面の薄く白い部分が無配向層

二重構造の特徴としては、表面に無配向層があることにより延伸による硬さが緩和され、指ざわりがソフトで滑らかな
感触となる特徴があります。また、表面に無配向層があることにより、結び目にかかる力が無配向層を間に挟むことによって、クッション的な役割を果たすことになります。《資料提供:双樹化学工業株式会社》 
         

弦の切れる場所によって原因が違ってきますが、一般的には接続部(金属の金具で留めている箇所)の強度が弱くなります。 弦は真っ直ぐな状態での強度より、結んだ箇所の強度が弱いからです。二重構造により結び目にかかる力が直接配向層には伝わらないので、結んだときの強度を維持することにつながる、という特徴もあります。

    

また今回のハープ弦の製造にあたっては、瞬間的に高延伸することに よって、弦全体の強度のムラを無くし、均一な強さを出すようにしています。ナイロン弦でも張りが強かったり、また細い弦では指が痛くなってしまいますがグレースハープの国産弦は、切れにくいだけでなく、非常に滑らかで美しい音色を奏でる弦として完成しました。


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良いナイロン弦の特性

・切れにくい
・丈夫である
・伸縮性が高い
・滑らかでタッチがよい
・美しい音色

国産弦の開発に合わせ19弦ウォールナット“結(yui)”を商品化しました。
今後はより多くのハープに国産弦を使用していく予定です。
国産弦の新しい感触を多くのみなさまにお届けできることに感謝し今後もお求めやすいハープを
制作してまいりたいと思います。ハープが多くの幸せを結びますよう。